RFP作成につきましては、手数も時間も掛かって、可能ならば回避したいと考えている人もいるかもしれません。しかしながら、RFPをしっかり作ることによってビジネス上のメリットが出てきます。まず提案の中身の基準となることがあげられます。
それぞれのベンダーに対して提案をお願いする際、どういったシステムを手に入れたいのかを伝達する必要性があります。ベンダーに対して口頭、あるいはメールを活用することによってシンプルに伝えるのみならば、ベンダーが類推する部分が非常に多くなり、それぞれのベンダーで提案の中身に関してもばらばらになりがちです。
最終的にベンダーの選定基準に関しても困難が伴いますし、ベンダーを選定した後もあらかじめイメージしていたシステムとは隔たりがあるものになってしまうリスクも高まります。きちんと発注者サイドと提案者サイドで、最終的な納品物のイメージを統合することは極めて重要となります。
プロジェクトそのものが動き始めてから必要な要件が漏れていることに気づいて、改修自体が求められるとよけいな工数も必要ですし、ビジネス上のスケジュールに関しても遅れることが起こります。それに加えていろいろなベンダーに対して提案依頼するというようなケースで、RFPをひとつ作り上げておけば複数社にRFPを送り込むだけでよく、何回も同一の説明を行わなくてすみ、ビジネス上効率良く進行するというメリットもあります。
さらに提案の中身のエビデンスになる点もメリットといえます。ビジネスにおいての言った言わない論争ほど悲しいことはありません。口頭で必要な要件を伝達したつもりが、相手方の捉え方が異なっていたというような認識のギャップが生まれて来ることは少なくありません。
そうした言った言わないを防止するためにもRFPを作り込む利点はあります。とりわけ必要な要件、あるいは考慮が欠かせない要件、ポイントとなる要件といったものをRFPへと記すことで、それがエビデンスとなりまして不要なビジネス上のトラブルを防止することができますし、望んでいる提案を引き出すことが可能です。
さらに提案の評価基準になるメリットもあります。いろいろなベンダーに対して提案依頼をするケースで、結果的にいずれのベンダーを選ぶのかをそれに見合った基準で決断する必要があります。RFPはそのようなときの評価基準としても活用することができます。
それぞれのベンダーがRFPに記した中身を満たしてくれる提案をしているか、漏れている点は無いかなどRFPの中身をもとに選り抜き作業を行うことができ、別口で選定基準を検討する手数も省略できますので利点が大きいといえます。