RFPの作成方法がわからないというシステム開発担当者のために、どうしてRFPが必要なのかを考えてみましょう。企業が自社に導入するシステムを選定する時に必要なのがRFPですが、目的や効果を理解しなければ有効な資料にはなりません。
RFPはシステムの発注を検討している取引先企業へ渡す提案依頼書です。この資料がないと、プロバイダもユーザー企業がどんなシステムを求めていて、どんな提案をすればいいのかがわかりません。ちなみにRFIという書類もありますが、これは情報提供依頼書のことです。
取引先に先に情報提供を依頼し、対応するシステムを持っていることを確認した上で、具体的な提案をもらうためにRFPを作ります。渡した後はそれに基づき出てきた提案内容を社内評価し、発注するとなれば契約手続きに移ります。
莫大な費用がかかることなので時間がかかりますし、RFP発行から契約終了までには3ヶ月は見ておいたほうが良いでしょう。つまり、3月の決算に契約を間に合わせたいなら、年末か年明けすぐにRFPを発行し、提案を待つ必要があります。
RFP作成だけでも3ヶ月は欲しいので、結局年度末を目指すなら秋口から作成に取り掛かる必要があるということですね。多く見受けられるのは、社内に参考となる前例がなかったり、作成のノウハウを持つ人がいなかったりすることで担当者が行き詰ってしまう例です。
そもそも何を書くべきかもわからず、技術要求も機能要求もわからないというシステム担当者も多いようです。ただそれも無理はないことで、一般的に基幹システムを選定するようなプロジェクトは、長ければ10年に1度あるかどうか。
企業でそれだけ間が空くと、知っている人はすでにいなかったり、状況が大幅に変わって昔の事例が役に立たなかったりするのが普通だからです。とは言え多大なコストをかける以上失敗は許されませんし、必要な要求を満たすシステムを用意することは企業にとって命題です。
RFPは、的確なシステム仕様や提案を引き出すために必須のものですし、適正な予算とスケジュールを算出するのにも必須です。機能と稼働時期、ユーザー数やデータ量など、必要最低限の情報開示も必要です。当然複数社から同じように提案を受けて比較検討することになりますので、要綱を統一することで初めて正当に比較ができるようになります。
文書でのやり取りを残すことで、契約に至った選考過程を記録として残すこともできます。RFPはそれほどに重要な書類だということをまず理解して、適切に作成できるよう努力することが重要です。